古材を使った階段

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建主さんと柳澤商店に古材を見に行った。そこに桜の曲がった板が2枚あった。1.8mほどの長さで厚みは4センチほど。結構な重量感と、存在感である。これに一目惚れした建主さん。なんとかこれを使いたいと。
そこで階段の登り始めの4段として活躍してもらうことにしました。
大工さんがものすごく頑張ってくれて、かなり魅力的な階段になりそう!
# by craftscience | 2014-05-08 07:01

トータルバランスのいい家

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家づくりにおいて、心がけていることは何ですか?
とたずねられたとき、
「トータルバランスのいい家にすることです」と答えることが多い。
トータル・バランスのいい家とは、偏った価値をことさらに主張するような家ではなく、総合的、包括的な均整のとれた家だと思っています。

このイラストは北白川の京町家のリノベーションを設計したときにクライアントにプレゼンテーションしたときのものです。


そこにある四面体の頂点に置かれた四つの言葉についてもう少し説明が必要ですね。

家はまずもって「いのち、生活(life)」を支えるものでなければなりません。そのためには、家で日々行われる家事仕事(work)はもちろん、社会や他者とかかわりながらの仕事を滑らかに成し遂げられるような作業環境がもっと真摯に求められるべきだと思います。その実現のためには確かな技術(technology)や手仕事(craft)に立脚すること、重奏する歴史(history)に敬意をはらうことも不可欠で、それを表現していくことも大切なことだと考えています。
# by craftscience | 2014-05-01 23:40 | プロフィール

昔懐かしい小学校ストーブ、ポット式ストーブ

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八ヶ岳のふもと、富士見高原に建つこの家は、
標高1000メートルを超える寒冷地に建っています。
寒い土地ゆえ、暖房システムをどうするか、
決定するまでいろいろと悩みました。
もっとも寒い時期には-10℃を下回ることもしばしばある土地です。
私自身は寒冷地に住んだこともなく、
八ヶ岳のふもと北杜市に薪ストーブのあるセカンドハウスの設計実績はあるものの、
標高1000メートルもの土地で自身をもってお勧めできる暖房としては
薪ストーブくらいしか思いつきませんでした。
しかし建て主さんは薪ストーブには余り乗り気ではありませんでした。
「私は薪の調達や火の世話などに手間をかけるのを楽しみにするタイプではない」
「ボタン一つで確実に、すばやく温まるのが良い」というのです。

そこで以前から付き合いのある甲府市の工務店
小澤建築工房の小澤さんに相談しました。
小澤さんは長野県、山梨県などの寒冷地での家づくりについてはとても経験豊富です。

その小澤さんが勧めてくれたのは
OMソーラーとして知られている太陽熱利用システム「ソーラーれん」でした。
別荘で、外気温が氷点下になる季節に一週間も留守にしていれば、
当然、室内も氷点下まで下がってしまう。
でも、ソーラーれんを入れておけば、
留守中も勝手に太陽の熱を集めて床下のコンクリートに蓄熱してくれるので、
外が-10℃でも室内は7℃くらいを保っているといいます。
とはいえOMソーラーだけでは寒冷地で暖をとるにはパワー不足なので、
当然別の暖房システムで補う必要があります。

しかし、小澤さんに現地を見てもらったところ、
この土地ではソーラーは難しいかもしれない・・・という話になりました。
この土地、赤松の林のなかにあり、敷地の南側に30m近い、
ひょろひょろっとした赤松が群生しているのです。
この赤松が日差しを遮ってしまい、
冬に建物を暖めるほどの集熱が期待できそうもないということになりました。
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そこで登場したのがポット式ストーブです。
私が子供のころ学校の教室にこんな形のストーブがあって、
灯油を汲みに当番が行くなんてことがありました。
ストーブの近くの席になると、授業中に顔が火照ってしまってしょうがない。
そんなハイパワーのストーブです。

サンポットというメーカーが今でも製造しています。
この家では灯油タンクを屋外に設けて、
灯油やさんと契約して、灯油が減ると給油に来てくれます。

これ一台で家全体をできるだけ暖めようとLDKの真ん中にできるだけくるように、
基本プランの段階からその位置については考えていました。

輻射熱で暖をとる暖房方式はとても暖かく感じられて快適です。
エアコンなど温風が吹きつける方式は、快適性に劣ると思います。
なぜなら、たとえ温風でも、体温より低い温度の風は人間から熱を奪っていきます。

私が20代のころお世話になっていた設備設計家のテーテンス事務所・葉山成三さんは
「暑さ寒さは、熱のスピードだ」
とよく言っていました。
体から熱が奪われるスピードが速ければ速いほど人は寒く感じるというのです。


吹き抜けを設けた空間にストーブをおいているので二階の部屋にも暖気が回ります。
2階の吹き抜けに面した壁に窓を設けているので、
一階でつくられた暖気が、その窓を通して二階の部屋を暖めてくれるわけです。
# by craftscience | 2014-01-14 23:03

吉田山の風景によく馴染む家を

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この家を設計するときに、とっても意識したことは、
周辺環境のずばらしさに、よく馴染むようにつくろうということでした。
だって、正面に大文字山が見えて、
すぐ隣には茂庵の森があって、
谷川茂次郎さんの住宅群がご近所なんですよ。
先人が築き、守り、大事に育ててきた環境。
それに対して失礼のないように・・・。
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春には櫻、秋には紅葉が楽しめるのはもちろんですが、
石垣や石段の隙間から伸びる雑草も美しい。
この住居群には毎日のように植木屋さんが入っていたので
相当なコストと労力を注いで、この美しさを維持しているのは間違いないでしょう。
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今回、外壁の一部を杉の下見板張りにしたもの、
このような谷川茂次郎さんの住居群に敬意を表したいという思いが私の中にはありました。

2013年9月22日オープンハウス開催、詳しくはこちら
# by craftscience | 2013-09-22 07:26 | 2013「窓景の家」京都吉田山

金森正起さんの門扉

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傾斜地に立つ吉田山のリノベーション「窓景の家」は、地下1階扱いになる駐車場があり、建物の下をくぐり抜けるように石段を登って玄関にアプローチします。そのアプローチには既存の古びた門扉がありましたが、錆もひどく、止め金も壊れていました。それを手を入れて再利用する案もありましたが、この家へはいっていく際に、最初の手の触れる場所として、何か特別な存在感をもったものにしたいと思い、だれかふさわしい作家さんにつくってもらいたいと思っていました。そこで金森正起さんに頼むことにしました。
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金森さんは名古屋市で活動する作家さんで、鉄やアルミなどの金属を使って、ナイフ・フォーク、お皿やお盆といった生活用品から建築の手摺りや門扉、さらには照明器具まで幅広く製作されています。
私と金森さんの出会いは、神戸のセレクトショップ草灯舎で行われた展示会でした。
そこで見た作品から、造形のセンスのシャープさと仕上げ質感に徹底的にこだわっていく姿勢に共感しました、この人にいつか何かお願いしてつくってもらいたいと思っていました。
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金森さんは全体のプロポーションや造形もいいのですが、ディテールがまたさりげなく、でもかわいいんです。
この写真にあるように、ステンレスの棒がかんぬきなのですが、その受け材の丸さと厚みが絶妙でふくよかな質感をもっているのですね。普通の鉄鋼屋さんならもっとチープになります。回転させるために手でつまむところも丸さととんがった形の組み合わせで、ちょっとしたところなのですがいいかんじでしょ?
金森さんご自身のサイトはこちら
# by craftscience | 2013-09-20 01:13 | 2013「窓景の家」京都吉田山

「窓景の家」京都吉田山でのリノベーションが完成

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京都の吉田山でのリノベーションが完成しました。
平安京遷都が行われる以前からの聖地として知られる吉田山。
斜面のひな壇に立つレトロな家屋群は、かつて蚊取り線香のCM
「キンチョーの夏、日本の夏」のコピーで大文字の眺めとともにロケとなった場所です。
京町家のリノベーションで知られる京都の不動産会社「ハチセ」さんがこの住宅のクライアント。
詳しくはこちらをご覧下さい。
# by craftscience | 2013-09-15 13:47 | 2013「窓景の家」京都吉田山

田中美穂植物店コーヒショップ

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北白川の京町家で植栽、庭づくりを担当してもらったのは田中美穂さん。田中美穂さんは左京区で「田中美穂植物店コーヒーショップ」を営んでいます。店頭には苔玉がぶら下がり、多肉植物や昆虫の標本も並ぶ店内は独特な美穂ワールドが広がっています。
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ルーツルーツにも田中さん制作のグリーンがあるのですが、半ば朽ちた木の板にシダやコケを寄せ植えして多様な植物がそれぞれに生き生きした景色をつくってくれました。
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北白川の京町家の庭づくりについての詳細はこちら。
# by craftscience | 2013-01-03 14:03 | 2012北白川の京町家リノベ

パラボラさんの照明器具

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これは洗面台の鏡の上に取り付けたもの。陶器のアームが、今回のタイルによく馴染むと直感しました。
北白川の京町家では、照明器具に古いものを取り入れようと当初から計画していました。そのための費用を工事予算の中に確保して、竣工までの間にそれぞれの空間にふさわしいデザインのものを探そうと思っていました。ちょうどタイミング良く、京都の夷川通りにあるビンテージ照明を扱うショップ「パラボラ」の大西さんのと出会いました。大西さんご自身がヨーロッパで買いつけてくる器具がところせましと並ぶ店内は、5W、10Wとあえて照度を落とした電球が数多く揺らめき、落ち着いた雰囲気です。大西さんのセレクトした照明は、古き時代の機械イメージを彷彿させるものが多く、独自の視点が生かされています。
日本の伝統的な生活文化から何かを学び、現代の私たちの生活に生かしていくことが必要だと思っています。そのためには、和風の様式に回帰するだけでは限界があると常々感じているので、この北白川の京町家では、意識的にヨーロッパのものを取り入れることを試みました。
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これはトイレの照明に。

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玄関ポーチに使ったもの。ガラスのカバーがキュートです。

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# by craftscience | 2013-01-02 16:09 | 2012北白川の京町家リノベ

年明け1/12、13に京町家リノベーションのオープンハウスします

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クラフトサイエンスにて設計・監理してきました京都・北白川の京町家リノベーションが完成しました。
年明けの2013年1月12日(土)、13日(日)にオープンハウスを行います。
このプロジェクトのクライアントは京都でリノベーション物件の販売を数多く手がけられている不動産会社の株式会社・八清(ハチセ)さんです。
ハチセさんのホームページで、このプロジェクトについて詳しく紹介されていますのでぜひそちらを御覧ください。
「北白川の京町家リノベーション・トータルバランスのいい家」

facebookに写真をアップしました。→クラフトサイエンス一級建築士事務所のファンページ
# by craftscience | 2012-12-29 00:27 | 2012北白川の京町家リノベ

素住(susu)2012年No.15号に掲載

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時を重ねる家3@杉並区が住宅誌の「素住(すす)」2012年15号に掲載されました。素材、仕上げ、パーツ選びに注目した特集ページ「マテリアルにこだわって自分らしい空間づくり」のなかで、古家具に似合う、自然素材を使って懐かしさが漂う家として紹介していただきました。
# by craftscience | 2012-10-26 10:15 | 掲載・出版