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祇園ない藤で下駄を誂える

祇園の老舗の履物屋さん「 ない藤 」で下駄を誂えました。
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店頭で見せていただいた中から、
焼き杉の下駄に青地に白いドット柄の鼻緒の組み合わせを選びました。

鼻緒の水玉は、水ではなく雪をあらわしているそうです。
よく見ると、ドットは等間隔で並んでおらず、
大きさも微妙に違っていて
まるで、ちらちらと雪が舞うようです。
この鼻緒、ビンテージなので、一点ものでした。

オーダーの際、
足の寸法を、事細かく測ります。
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足の幅、長さはもちろん、指の長さ、甲の高さなど
ノギスを使って正確に採寸して、
項目がたくさん並んだシートに記入。

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そして本日、番頭さんの関塚さんが
Routes*Rootsまで届けてくださいました。

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親指とひとさし指の股の奥まで入らず
途中で止まって、足の前のほうで
ちょんとつっかける感じ。
かかとのはみ出し加減も、ちょうど良くなるように
鼻緒の長さが調えられています。

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実にシンプルな造形です。
絶妙なバランスを感じませんか?

ない藤さんのお店のチラシをみると
「誂えることで自分を再発見
人柄を表す履き物をつくる」
「その人に合うものしか作らない」
というポリシーが記載されています。

「誂える」=あつらえる
という言葉は
「設える」=しつらえる
とか
「拵える」=こしらえる
といったことばと似ています。

どの言葉も、
その場や、
状況、条件、必要などに応じて
一つひとつつくる、
というニュアンスがあります。
個別対応的で、
規格化された大量生産的なものづくりとは違った方法ですね。
作り手である人が、
目の前にいる自分に、きちんと向き合って
仕事をしてくれてる安心感と期待感がありました。
そして手渡された物から得られる満足感。

私も住宅の設計の仕事の中で
「設える」や「拵える」ということを大切にしてきましたが
今回、ない藤さんに下駄を「誂えて」いただいたで
あらためて、こういったモノづくりによって得られる喜びとその価値について
考えさせられました。

もう秋なので、浴衣に合わせて着る機会は来年までおあずけかもしれませんが
この下駄を粋に履きこなせるように、なりたいものです。
by craftscience | 2015-09-01 18:57 | 京都のコト