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eitoeikoの路地・その2

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庭のほうからの見返し。2階の外壁が曲面状に突き出しているところは内部に階段があります。
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ギャラリーの入口から、路地を見返したところ。スロープと階段が組み合わさった床面のデザインをしています。住居の扉前はフラットなポーチをつくり、緩やかにながーく伸びるスロープは、路地の奥ゆき感や、その先の何かを期待させてくれるような・・・そんな心理的なことを考えながらデザインしました。
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路地のいたるところに、青色に絵付けされたタイルが埋め込まれています。
これは、現在「eitoeiko」さんで展覧会が開催されている白須純さんの作品です。
http://eitoeiko.com/
白須純「エントランス・オブ・ザ・ワールド」展は2011年6月18日から7月16日まで。
by craftscience | 2011-06-23 06:36 | 2009eitoeiko(神楽坂)

eitoeikoの路地・その1

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東京新宿区矢来町に建つ、この2棟住宅。
どちらも住宅の一部を、「街に開かれた場所」として設計しました。
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2棟の間には、敷地の奥まで伸びる「路地」があります。
この路地の奥に現代アートのギャラリー「eitoeiko」「矢来町カフェ」の入り口があります。
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2007年に設計に着手、2009年秋に「eitoeiko」がオープン。2011年春には「矢来町カフェ」もオープンしました。写真は2009年の竣工直後で植栽も未施工なので、いささか無機的に見えますが、路地が生きてくるには生活や自然が時間とともに育っていくことが必要なので、時間をかけてゆっくりと豊かな路地空間に育って行ってくれることを期待しています。
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二つの入り口。左が住居の玄関扉。右手に見える、古い雨戸の戸袋がギャラリー「eitoeiko」の入口です。
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この扉はトステムのアパート用ドアに木の無垢板を貼っています。
木の柱と梁が見えますが、この建物は建築基準法で定められた「準耐火建築物」です。ここでは「燃えしろ設計」という方法で、万が一、火災によって柱や梁の表面が炭化しても、残った芯の部分が建物を支えるのに十分な太さになるように部材の寸法を決めています。
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葛飾区の「柳沢商店」で購入した、戸袋。古い民家で使われていたものをエントランスの扉として転用。
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設計段階のスケッチ。上部のFIX窓にはぐるりと木の板を額縁のようにまわして、ギャラリーの看板のようになればいいな、というデザイン。
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二階の窓前につくった木製の花台。こういうところが日常のなかで生かされてくると路地が楽しくなってきます。
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路地の突き当りを斜めに曲がるとその先に緑の庭が見えます。
家と家の隙間に、パッと小さな庭が広がって、午後の日差しで満たされた明るい空間が広がります。
狭い路地を抜けるとひらかれた場所にでる・・・シークェンスの演出手法です。
by craftscience | 2011-06-23 06:10 | 2009eitoeiko(神楽坂)

3.11以降の家づくり、「移住の自由」と「骨を埋める覚悟」

家づくりの前提が、3.11以降いろいろな意味で損なわれたり、変化してしまった。

昨日は「NPO家づくりの会」の総会があり、仲間の建築家と雑談しているなかで
「家を建てたら一生その土地に骨をうずめる覚悟がなければならない」という言葉を聞いて、
どこか強い違和感を感じた。

ある土地に家を建て、地域の中で住み暮らし、その土地の環境をこつこつとはぐくんでいくような生き方、たとえば農家の方の生き方は、一つの理想的な生き方だと思う。

でも、3.11以降、日本中に存在している原発が稼働し続けいているかぎり、そうやってこつこつと育んできた家が一瞬にして損なわれてしまうリスクと常に隣り合わせであることが明らかなになってしまった。

人生には、思いもかけない出来事が起こるものだから、終の棲家と思って建てた家を手放さなければならないリスクはこれまでもあった。地震や津波などの自然災害、大火や戦災によって家を失ってしまうことは日本の過去の歴史を振り返れば幾度も繰り返されてきた。そのたびに日本人は「無常感」をもって、その厳しい現実を受け入れて、心を落ち着かせて、もう一度この土地でやり直せばいいじゃないか、と再起してきた。

でも、放射能でひとたび汚染されてしまった土地は、何十年、何百年と、生き物の細胞の中を放射線が通過し、DNAのある部分を破壊し続けてしまうのだ。

こんな現実を前にして、私たちはどんな家づくりをこれからしていたらよいのだろうか。
どんな家づくりなら、希望がもて、夢が描けるのか?
梅棹忠夫のいう「暗黒の中の光明」は、こと家づくりに関してどこにみいだせるのだろうか。

これから考え続けなければならないと思うのだが、
一つの方向性は、私は「移住することの自由さ」にあると考えている。
それには中古住宅の流通市場が活性化する必要があって、
そのためには土地の価格や金融の課題もあるだろう。

でも、もっとも強固な壁は人々の固定観念なんだろうな。
自分も含めて、意識的に頭を柔らかくしておかなければならないなと思う。

だから
「家をもったら一生、その土地で骨をうずめなければならない」という言葉を聞いて違和感を覚えたのだろう。
by craftscience | 2011-06-19 07:30 | 私のこだわり

子育てはアート

何年か前、次女がまだ1歳前後のころだったと思う。妻も仕事を再開し、自分も子育てに、日々生きるエネルギーのかなりの部分を注ぎ込まなければならないころに、たまたま手にしたフリーペーパーのエッセーが目にとまりました。
そこには「子育てはアート」とありました。
そのエッセー、黒澤明監督の長女で映画衣装デザイナーの黒澤和子さんが書いたもので、私は一読し、いたく感銘をうけ、切り抜いて今も大事にとってあります。時々、読み返しては、ずいぶんと励まされ、仕事と家事・子育てのはざまでつらい思いを抱えた時期を乗り越える勇気をあたえてもらいました。

この切り抜きが、いつどこかにいってしまうとも限らないので、全文をここに転載させていただきます。黒澤和子さん、フリーペーパー「ウェンディ」関係者の皆さま、ご容赦ください。以下全文。

このごろ、誰も彼もが子育ては大変だとばかり連呼する。
わが子を自分の手に抱いたときの幸せや、一人ひとり違う個性を育てられる喜びを語る人は少ない。
私は、子育てはアートだと思っている。
手がかかるほど楽しいのだし、皆違うのが面白い、思うようにならずに考え付かないようなインスピレーションもくれるのだから、なんて幸せなんだろうといつも思う。
自分がハンドリングできる程度の人間、楽できる人と生きても成長なんて期待できないから、家族でも競争で成長できる環境が望ましいのだと考えている。
忌憚なく物を言い合えて、何でも曝け出せるのが家庭だから、緊張感と安らぎがある、それこそ家庭なのだ。
仕事で家庭での大変さを気分転換して、家庭で仕事の大変さを気分転換して、四半世紀の母子家庭を運営してきた。
家族は仲間でもあり、同志でもあり、一番辛辣な評論家でもあり、ライバルでもあるのだと考えている。
「あなたたちのことは世界一大切で、何があっても、どこにいても、命を捨てて助けます」
それさえ伝えて信じてもらえていれば、エキセントリックな大騒ぎの親子喧嘩も笑い話にしかならない。
父黒澤明を共に支えた日々も、結束の固さにはなったけれど、つらい過去だとか愚痴の種にはならない。
思いっきり自分を主張しあい、話し合って分かり合うまで話し合う。
一個の人間の持つ個性は尊重して、自分の尺度ばかりで測らない、一つ一つの言葉を丹念に積み重ねて、丁寧に分かり合えば後は気楽なものだ。
そして進路や将来のことは、最後は自分で決めるのが自分に責任をもつという大切なことの第一歩だと思っている。
進学だってご勝手に、嫌なら行かなくてもいい、どんな仕事を選ぼうが自分の人生、どれが一番なんて誰も分からないのですから。
わが家が心底明るい家庭であるのは、嫌なことから目を背けないで、とことん話し合って成果である。
笑いが絶えないわが家では、皆お互いのことが大好き。大声で歌を唄いながら家族旅行に行く車中、今までの旅行での失敗話で大笑いして、今回の旅行はどんな順番で観光するか何を食べるかということで意見が分かれ、本気で言い合いになったりする。
by craftscience | 2011-06-18 08:04 | 私のこだわり

「住宅作家になるためのノート」中国語に翻訳出版

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2008年出版の、泉幸甫さんたちと共著書「住宅作家になるためのノート」の中国語の翻訳本が出版されたました。2008年の出版直後から話には聞いていたのですが、ようやく出版されたもよう。
なんだか、海外の方にもの読んでもらえるとは、うれしいですね。
by craftscience | 2011-06-05 11:23 | 掲載・出版

中古住宅購入、そしてリノベーション。

クラフトサイエンスでは、中古住宅を購入されてリノベーションしようとする方をサポートします。

◎新築ではなくリノベーションという選択
東京や大阪は地価が高い。モーあきれるほどに高い。
これはすこし都市部を離れて物件価格をみてみれば、すぐに実感できる現実です。
こんな地価が高いところに土地を買って家を建てるなんて、
もう普通の収入の人には、なかなか難しい。
みなさんそれぞれの事情や希望や夢があって、
都市に住むことを望まれるのでしょうが、
土地探しを始めてみると、物件価格の現実を前に
小さい土地に限定するか、もっと郊外に出ようかとか、
さらいは駅から遠いところへいくか・・・と
選択肢は絞り込まれていくことでしょう。

そうして物件を探していくと、
古家付き物件、中古戸建物件が目にとまります。
「これ住めそうだ、建てなくてもいいんじゃない。」
「そうかリノベという手があったか。」という発想になると思います。

不動産屋さんは、「リノベ?高いですよ。新築と同じくらいお金、かかりますよ。」
という人が多いでしょう。
そういうケースも中にはありますが、
これまでのクラフトサイエンスの実績からすると、
新築の1/2から」1/3ほどの工事費用で、
新築と同程度かそれ以上の質をもった住空間を十分実現できるといえます。
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◎都市部の密集狭小地であればあるほどリノベーションメリットは大きい
郊外の住宅地で庭の取れるような余裕のある土地であれば、
新築のほうが建物の配置から考えていけるので、
敷地の特性を活かした住宅が建てられると思います。
前面道路が狭い場合、新築しようとすると、
道路境界のセットバックによって土地がさらに狭くなり、
現行の法規で定められた建ぺい率、容積率によって、
今よりも小さくなってしまう敷地が多くあります。
リノベーションであれば、現状の面積のまま住むことが可能です。

◎耐震性も高められる
構造強度は新築であれば安心ですが
、リノベーションでも、構造体の傷んでいる個所を補修し、強化したり、
新しい間取りに合わせて耐震性を高めることができます。

◎リノベーションでも融資が受けられる?
新築のほうがローンも組みやすいのが現状ですが、リノベーションでも以前に比べてずいぶん融資を受けやすくなってきていると思います。フラット35でも、築年数によっては一定の基準にのっとった耐震診断が必要になりますが、中古住宅でも融資を受けられます。

◎物件探しの段階からお手伝いします
クラフトサイエンスでは物件探しの段階からお手伝いさせていただいています。
もし、「この物件を買ってリノベーションをしようかな、できるかな」とお考えの方はお気軽にご相談ください。購入前に物件を拝見してのアドバイスなどもしております。気になる物件が見つかりましたら、メールでご連絡いただければ、物件を見に行ってのアドバイスの日程を調整いたします。

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◎判断のための正しい情報提供とアドバイス
新築が良いか、リノベがよいか、
それはご予算、物件との出会い、将来の希望などによって判断すればよいと思います。
これまでも「将来子供たちに残すことを考え新築にします」と決断された方もいました。
どちらを選ぶかはみなさんの自由です。
新築とリノベ、双方のメリットデメリットを考え、
何を優先するのか、どんな価値を大切にするのか、
そのあたりを考えれば、自ずと答えは定まってくると思います。
判断のための正しい情報提供と、専門家としてのアドバイスを
心がけております。
by craftscience | 2011-06-03 07:03 | リノベーションについて