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現場見学会3/26杉並区南阿佐ヶ谷で開催(延期します。3/16決定)

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杉並区成田東(南阿佐ヶ谷駅より徒歩12分)で工事中の現場にて
3/26(土)に「木の家の構造を学ぶ」見学会を開催します。

私も理事の一人として活動している「NPO家づくりの会」の企画です。
建て主のNさんと施工会社の㈱滝新さんのご協力もあり、開催の運びとなりました。

木の家の構造っていうのは実際どうなっているのだろうか?
それを上棟を終えた、いまだ骨組み状態の建物の中で、学んでいただこうという主旨です。

「梁」と「桁」という用語がありますが、この二つの言葉を使い分けられる建て主さんはどれくらいいるでしょうか。「根太」と「垂木(たるき)」となるともっと難しいかもしれません。
そんなこと知らなくてもできた家に住むことはできますが、せっかく木の家に住むならば、そういうことも知っておいたほうが良いと思います。
なぜならば、設計者や現場監督や職人さんとコミュニケーションするときに役に立つからです。
正確に部材の名称を知るということは、木造建築の伝統的な技術の一端に触れることでもありますから、奥深くも楽しい建築の「文化」の世界を垣間見ることでもあります。

現代の日本の木造住宅では、建物が完成すると構造体が見えなくなってしまうケースが圧倒的に多い。それは防火、耐火の法規制や、手間ひまをかけずにコストを抑えようとする生産者サイドの都合によるものなのです。

でも私の設計する家では、仕上がってもある程度構造体を見せていくことを心がけています。それはなぜか。
1.美しいから
2.メンテナンスしやすいから
3.物事の成り立ちが目に見えたほうが気分が良いから
そんなことを考えています。
1.の美しいからというのは、単純に、上棟を終えたばかり構造体は美しいと思います。仕上げが何も施されていない純粋な構築物としての姿は、本質が直接あらわれているので美しいのかな・・・とも思います。
2.構造が仕上げによって隠れていしまうと、そこが腐ったり、シロアリにやられても見えません。見えていればそういった兆候が表れればすぐにわかり、早く対処ができます。その意味でメンテナンスがしやすい。
3.建物の構造体というのは、地球の重力に対抗しながら組み上げられます。それは自然の原理と人間の知とによって作り出されます。いかに組み上げられているか、それが目に見えるということは作り上げられる過程、プロセスが見える、できあがった後でも。そういったプロセスが隠ぺいされるよりかは、クリアーに見えているほうが気分がいいと思いませんか?

まあ、それはさておき、3/26の現場見学会、ご参加お待ちしております。
建て主さんも参加してくださるので、直接、建築家との家づくりについてお話が聞けると思います。
申し込みは、「NPO家づくりの会」のサイトからお願いします。
by craftscience | 2011-02-25 07:36 | セミナー・見学会

マイホームプラスに「時を重ねる家」が掲載されました。

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住宅雑誌「My HOME+」(マイホームプラス2011年冬号VOL23、エクスナレッジ刊)に埼玉県桶川市の住宅が掲載されました。
どこか懐かしさを感じるような家、風や光を心地よく取り込み、自然のうつろいが感じられるようなシンプルな家として紹介されました。
プランも詳しく解説してくれいてます。
よかった読んでみて下さい。
by craftscience | 2011-02-17 16:25 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

年輪=「時を重ねる」という事実の可視化

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杉並区西荻窪で工事中のB邸では、古材の桁(かつて古民家で使われていた杉の丸太を2本)を使っている話は以前このブログでも書いた。
先日、現場に行ったとき、そこに置いてあった2本の杉丸太の切れ端に、惹きつけられた。断面に目が行ったのだ。
同行したスタッフに「年輪の数を数えてみな・・・」と指示。
玄関扉の作り方の打ち合わせをサッシ屋さんと打ち合わせをしている間にスタッフのO君が数えてくれた。「一本が35年、もう一本が58年でした。」

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上の写真が58年生。下の写真が35年生。年輪の幅が違うのがはっきりとわかる。
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結構違いがあったのに驚いた。そして、何かとても大切なことを発見したような喜びがあった。
太さはどちらも30センチくらい。樹種も杉で同じ。でも、この二本はけっこう違いがあるのだ。
年輪は成長の記録であり、季節のうつろいによって刻まれる。
樹の幹の切断面を見ると白っぽい幅の広い輪と、赤茶色の濃い色の輪とが交互に繰り返されているのが、はっきりとわかる。白っぽい部分を早材といい、春から夏にかけての暖かい季節に形成される。太陽の光をいっぱいに浴びて、水を地面からグングンと吸い上げ、どんどん細胞分裂を繰り返し早く成長するから「早材」という。一方、色の濃い部分は秋も深まり、太陽の日差しも弱まって成長が緩やかになったころに形成される層である。冬寒くなると成長はほとんど止まり、寒さにじっと耐えながら春のおとずれを待つのである。一年の成長サイクルの「晩期」に形成されるそうなので、この層を「晩材」という。
年輪を重ねるということは、毎年毎年繰り返された成長の軌跡なのである。
この当たり前の事実がなんだか今の自分にはとても愛おしく感じられる。そして、一本は35年の年月を経て成長し、もう一本は58年かけて成長したという、「生き物」として生きた事実が、そこに刻まれているのである。
35歳といえば、建築家の人生に重ねて言えば、まだまだ「若手」である。58歳といえば中堅からベテランへと成熟したころか。まあそれくらいの差があるといえる。
見た目の太さは同じでも、よく見ると58年生のほうは周辺部の目が詰まっているのがよくわかる。ゆっくり、ゆっくりと成長したわけだ。一方の35年生のほうはどんどん、スクスクと育った。おそらく寒い地方で育ったのが58年生、温かい地方で育ったのが35年生なのだろう。

材の強さとしては目の詰まったほうが強い。58年かけてゆっくり育ったほうが強いのだ。
一方、早く育つというのは産業社会的な価値観からするとよいことだ。実際、「りゅーべー単価」といって、木材は「立法メートル当たり何円か」という単位で木材業界では取引されている。だから短い期間で大きな材積が得られたほうが経済効率としては良いわけだ。
どちらが良い悪いではない。それぞれの個性。同じように見えるものでもよく見ると多様性が広がっているということだ。それを二本の丸太の断面が教えてくれたような気がした。
by craftscience | 2011-02-11 13:27 | リユース・デザインの家づくり

10年目のカフェ・スイート

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先日、深大寺近くのカフェ・スイートに久しぶりに行きました。
「サスティナブル・スタイル」という雑誌の取材に立ち会うためです。
この雑誌は、50代、60代の方向けの、田舎暮らしや開店など、自分の夢を実現された方の生き方を紹介する雑誌とのことですが、編集が住宅リフォーム雑誌の出版社ということもあり、建物の紹介もあります。
私がリフォーム設計を手掛け、2001年にカフェを、2004年に2階の居住スペースを、2008年に玄関と駐車スペースをと、三回にわたってリフォームした関谷さんの住まいが取材を受けたわけです。
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久しぶりに伺って、とても気持ちよく住まわれている印象。
日差しが心地よい陽だまりを作っていました。

お昼ご飯に取材の皆さんと一緒に関谷さんお手製のビーフカレーをいただきました。
カフェメニューにはないのですが、下高井戸の駅前市場で買っているというおいしいお肉でつくったこのカレー、ともておいしく、心豊かな時間をいただきました。
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by craftscience | 2011-02-08 10:49 | 2001Cafe Sweet

杉並区西荻窪B邸上棟

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杉並区西荻窪で工事中の住宅が上棟を迎えた。今回、はじめて古材の丸太桁を構造に組み込んだ。

これまで「時を重ねる家」や「再生の家・阿佐ヶ谷」などで古材を取り入れてきてはいたが、あくまでも造作材としてであった。やはり構造体の一部として古材を取り入れるには、それなりの段取りが必要だからだ。木材の劣化が強度上問題がないか、切欠き、割れなどが問題ないか、見えないところに腐朽や虫害がないかどうか、そのあたりの見極めが重要になる。

こうして実際に立ち上がった姿を見て、ま新しい白木の新材のなかにあると、古材の存在感は圧倒的に強い。違和感すら感じる。

これをこれからの仕上げ工事でどこまで新しい部分と馴染ませられるか、
素材や仕上がり、ディテールを丁寧に考えていかないと、
ちぐはぐな印象になってしまうだろう。

しかし、古いけれどもしっかりとした材を使うメリットも確信する。
大工さん曰く、建て方の時に、丸太の桁を乗っけた瞬間に建物が強固に固まったという。
7mを超える一本ものはやはり強い。
太さも元で35センチはあり、かつての建物用に刻まれた溝やほぞ穴などが多少あっても今も有効に働いている断面寸法はかなり余裕がある。
材そのもの強度は十分に乾燥しむしろ強まっているように感じられると大工も言っている。
腐朽や虫害さえなければ古材は新材よりも強度が増すという実験データも存在している。
新材で、これぐらいの寸法の材を用意しようとしたら、乾燥に時間がかかり、コスト的にもかなりの額になる。生材でいれたら、表面には多数のひび割れがはいるだろう。
古材だからこそ得られる価値が多数あると思う。

だから、古材をもっと有効に使っていくために、
現代の私たちの感性に馴染むように仕上げていきたいと思う。
by craftscience | 2011-02-04 10:23 | 2011時を重ねる家2@西荻窪