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伊豆高原・沙羅の樹文庫

子供に物語の読み聞かせの活動をされているNさん。
伊豆高原に、子供も大人も立ち寄れる私設図書館をもった家をつくりました。
設計はもちろん安井です。

敷地には一本の美しいヒメシャラの木がありました。
この樹のもとで、子供たちが集まり、お話が語られる。
そんなイメージを軸にして、建物を設計しました。

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読み聞かせのイベントができるホール、
壁面いっぱいの書棚のある図書コーナー、
そしてややプライベートな場所であるダイニングキッチンとが
70センチほど、床のレベルを変えながら一つながりの空間になっています。

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緑豊な別荘地の景観に配慮して
樹木に囲まれ、ひっそりとたたずむ家になるよう
高さを押さえて、外壁を杉板の下見板貼りとしました。
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by craftscience | 2006-08-29 10:56 | 2006沙羅の木文庫

桐生での一コマ、その2

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のこぎり屋根の工場跡、
夕暮れ時の一コマ。
犬の散歩をするおじいさんと
うちの娘が遭遇。
壁面には歴史上の人物らしきペイント画が描かれていました。
by craftscience | 2006-08-26 23:58 |

桐生での一コマ、その1

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桐生の町には、今はもう使われなくなった、のこぎり型の屋根をもつ工場建築が多数あり、そこを別の用途で再生しているところがたくさんありました。
これは美容室として再生したもの。
古いもの、時間を経て建ち続けている建物は
新しいものにはない魅力や味わいがあります。
それを町並みに活かしていくのは
とても素晴らしいことだと思います。
by craftscience | 2006-08-26 23:51 |

民家裏庭の水場

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今回の旅行で立ち寄った「桐生織塾」。
桐生の織物の伝統技術を継承する活動を
こつこつとつづけておられるところです。

古い民家をいまでも使っているのですが
裏手にある水場が、なんとも美しい場所でした。

苔むした樹木が木陰をつくり、
近くの川から引かれた水路は
涼しげな音とともに陽光をキラキラと反射している。
思わず水に手をつける。
ひんやりとして、昼下がりの暑気がすっと引く。

かつては台所の延長として、
食材の下ごしらえをしたり、
洗い物をしたりと、
毎日の生活の中で、とても大切な場所であったことでしょう。
そこは山から流れる水、大地からの恵み野菜、命ある家畜などが
食卓へ並ぶ前に、姿形を変える場所であったわけです。
自然と生活とが密接に結びついた営みが行われていました。

スーパーで買う食材とシステムキッチンで調理する便利な生活。
そこでは、この水場にはあたりまえのようにある「自然との深いつながり」は分断され、
台所空間が、うすっぺたな消費活動の場に堕してしまっているように感じます。
かといって、こういう冬は寒いし、家事は手間ひまかかる重労働という昔ながらの生活に、一足飛びに戻ることもできないのが現実です。

とはいえ、この場所がもっている本質的な豊かさ奥深さを、これからの住宅の設計に活かせないものかと、思いをめぐらさせてくれた場所でした。

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by craftscience | 2006-08-26 00:29 |

日光金谷ホテル・その2

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金谷ホテルの内装は
ちょっと異国的というか、キッチュなところもあっておかしい。
洋風なデザインの中に、寺社仏閣の赤い欄干のようなものが堂々と埋め込まれていたりします。
by craftscience | 2006-08-25 23:52 |

日光金谷ホテル・その1

ここ数日、夏休みで日光と桐生に旅行に行っていました。
日光では「金谷ホテル」に宿泊。
古くからつづく由緒あるホテルですが、
その建物や空間は、写真を撮りたくなるようなところがたくさんありました。
ホテルを営んで来た人々の、時間をかけた手や意の集積が、この場所を魅力的にしているのでしょうか。

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by craftscience | 2006-08-25 23:50 |

葛飾の家

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撮影:和田高広

葛飾の商店街に建つ家。
道行く人の流れや、視線を意識してデザインしています。
町並みの表情に変化や豊かさを与えられたらよいな、と思って設計しました。

2006年2月竣工
葛飾区
木造2建て
延床面積27坪
夫婦30代+子供2人

北側は近所の人だけが通行する細い路地。
下町らしい空間です。
商店街側とはまったく違った表情です。
小さな小屋のようなエレメントが
寄り集まったようなデザインで路地裏の雰囲気と調和することを意図しました。
ここで子供を遊ばせていても、
2階のLDKから気配が感じられるようになっています。

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2階のLDK。
白いところは珪藻土。
茶色い壁はラワン合板に自然系塗料の拭き取り仕上げ。
床は30ミリ杉板、ワックス仕上げ。
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by craftscience | 2006-08-20 14:34 | 2006葛飾・路地と家

8月17日 クリクリのいた夏

先月、いま基本設計中の建主さんからDVDをいただいた。
「クリクリのいた夏」という1999年のフランス映画。

沼地のほとりで暮らす、
戦争から帰り一人暮らしをしている男と
クリクリという娘の父であるグウタラ亭主との
二人の日常を描いた映画です。

都市で暮らす友人は、沼地のほとりの二人の生活を
「自由」な生き方として憧れる。
一方、沼地で暮らす二人は、気ままなその日暮しを楽しんでいるが
時々は、生活費を稼ぐために、町に行く。

沼地という圧倒的に自然の美しさと厳しさに包まれた場所と
都市という雑多で、様々な人々がさまざまな生き方で暮らす場所とを行き来しながら
そこで素敵な出会いがあったり、
やっかいなトラブルがあったり、
友達との交流があったりする。

物語としては何てことはないような話なんだけれども
じんわりと、気持ちがあったかくなるような映画です。

それにしても沼地の小屋の前のデッキで
ジャガイモの皮をむいたり
ワインをのんで音楽を聴いたりするシーンがあって、
ああいう場所って最高に気持ちよさそうだよなー。
その気持ちよさを、このDVDをいただいた建主さんの家でも
ぜひとも実現しなければ・・・!
by craftscience | 2006-08-17 10:44 | 本・映画・音楽

8月16日(水) 今日の仕事

今日は一日、横浜市M邸のディテール図面を描く。
鉄骨架構の制作が、そろそろ工場の方で始まる。

21坪の敷地に建つ3階建て。
小さな建物だが、鉄骨と開口部まわりの納まりをもう一息詰めれば
かなり密度の濃い建築になると思う。

テーマは「光を受けとめ、流す、連続した壁と屋根」
9月早々には、構造体が建ち上がった写真を
このブログにもアップします。
by craftscience | 2006-08-17 01:19

最近読んだ本

表紙はライフログにあります。

家族と住宅の関係は、私の建築家としてのテーマのひとつ。
西川祐子先生は日本の文学作品に描かれてきた家族像から
時代と共に日本の家族がどう変わってきたのかを読み解く仕事をつづけられている。
特に、この本では住居のあり方がどう変わってきたのかを
小津安二郎の「東京物語」や高畑勲の「火垂るの墓」などの映像、
公団住宅の2DK誕生の物語、山本理顕の集合住宅など
多彩な資料、実例を紐解きながら
抽象的になり過ぎずに、実感をもって描いてみせる。
また、西川先生は伝統的な日本の家を「いろり端のある家」と「茶の間のある家」の二重構造と捉え、戦後の家を「リビングのある家」と「ワンルーム」の二重構造と捉える。
サブタイトルだけ見ると、戦後日本の家の在り様は「男の家」から「女の家」へ、そして「性別のない「部屋」」へと変遷したのだ・・・と言っているようにも受け取れるが、ことの実際はもっと複雑で多様な様相を呈していることを分かった上での、シンプルで明快な語り口が、説得力を持っていた。
もともと大学の講義を本にまとめるというコンセプトがあり、講義一回分を一章として、全14章からなる章立ては、新書の一章としてはかなり短いので、テンポよく読み進めることができて、気持ちよく読み進めることができた。
論理構築、文体の平易さ、本作りのコンセプトなど、とてもバランスのとれた、レベルの高い本だと思いました。
by craftscience | 2006-08-15 11:35 | 本・映画・音楽