カテゴリ:京都のコト( 19 )

祇園ない藤で下駄を誂える

祇園の老舗の履物屋さん「 ない藤 」で下駄を誂えました。
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店頭で見せていただいた中から、
焼き杉の下駄に青地に白いドット柄の鼻緒の組み合わせを選びました。

鼻緒の水玉は、水ではなく雪をあらわしているそうです。
よく見ると、ドットは等間隔で並んでおらず、
大きさも微妙に違っていて
まるで、ちらちらと雪が舞うようです。
この鼻緒、ビンテージなので、一点ものでした。

オーダーの際、
足の寸法を、事細かく測ります。
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足の幅、長さはもちろん、指の長さ、甲の高さなど
ノギスを使って正確に採寸して、
項目がたくさん並んだシートに記入。

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そして本日、番頭さんの関塚さんが
Routes*Rootsまで届けてくださいました。

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親指とひとさし指の股の奥まで入らず
途中で止まって、足の前のほうで
ちょんとつっかける感じ。
かかとのはみ出し加減も、ちょうど良くなるように
鼻緒の長さが調えられています。

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実にシンプルな造形です。
絶妙なバランスを感じませんか?

ない藤さんのお店のチラシをみると
「誂えることで自分を再発見
人柄を表す履き物をつくる」
「その人に合うものしか作らない」
というポリシーが記載されています。

「誂える」=あつらえる
という言葉は
「設える」=しつらえる
とか
「拵える」=こしらえる
といったことばと似ています。

どの言葉も、
その場や、
状況、条件、必要などに応じて
一つひとつつくる、
というニュアンスがあります。
個別対応的で、
規格化された大量生産的なものづくりとは違った方法ですね。
作り手である人が、
目の前にいる自分に、きちんと向き合って
仕事をしてくれてる安心感と期待感がありました。
そして手渡された物から得られる満足感。

私も住宅の設計の仕事の中で
「設える」や「拵える」ということを大切にしてきましたが
今回、ない藤さんに下駄を「誂えて」いただいたで
あらためて、こういったモノづくりによって得られる喜びとその価値について
考えさせられました。

もう秋なので、浴衣に合わせて着る機会は来年までおあずけかもしれませんが
この下駄を粋に履きこなせるように、なりたいものです。
by craftscience | 2015-09-01 18:57 | 京都のコト

夏の思い出 大文字

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五山送り火の大文字が点灯された直後の写真。東山一条から一条通りを川端通に向かって歩いている途中に着火!近所の人々も通りに出てきて「おお〜」と言っている瞬間です。
by craftscience | 2012-10-05 23:29 | 京都のコト

夏の思い出

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知恩院前の白川で遊ぶ子供たち。
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by craftscience | 2012-10-02 19:27 | 京都のコト

祇園祭の鉾建て

いま、京都の市中は、祇園祭一色。
写真は7/12に組み立て中の「鶏鉾」。
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すべて釘を使わず、ぬきや縄で縛って構造体を組み上げていくのは、見ていてとても興味深い。

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縄のディテールも美しいですね。

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日ごろ見慣れた都市の風景の中に、忽然と建ち現れる山鉾は、人の気分を高揚させるものが確実にありますね。
夏の暑さがグワーっと高まるこの季節に、夏を載り切っていこうとするパワーがみなぎってくる感じがしました。
by craftscience | 2012-07-14 17:22 | 京都のコト

両足院で座禅

今日から連休後半。
この週末から東京で仕事なので、完全OFFとはいきませんが、
しばし、リフレッシュすべく、近くの建仁寺塔頭・両足院で座禅体験にいってきました。
http://www.ryosokuin.com/
両足院では、旅行者でも気軽に参加できる座禅体験プログラムをおこなっています。
今回私が参加したのも朝8時半からおこなわれる60分のコース。

本堂に通され、まずはご本尊にお焼香。
本堂に並べられた座布団に座り、ご住職から座り方、呼吸法、心構えなどをお話いただき
お線香が一本燃え尽きるまでの時間(約25分)座りました。

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初めて座禅を体験しましたが、
心と体が洗われるような気持ちのよい体験でした。
障子が開け放たれ、さわやかな春風が抜けていくなか、新緑をたたえた木々の枝が揺れ動きます。
座禅のイメージは、風が吹けばそれにしなやかに揺れ動く木のような姿でよい・・・とご住職は話されました。
無心になって身動きひとつしない・・・というのはある意味、座禅に対する偏見のようなイメージで、むしろ自然体であることのほうが大切で、意識せずとも自然に体が揺れるのはよいのだと。枝葉は風に揺れても幹はどっしりと、ましてや目に見えない地中にのびた根はしっかりと支えている。身体も同じで、上半身は軽くしなやかに、下半身がどっしりと根をはやしたように、そんなイメージを持ちながら座ることをアドバイスいただきました。
by craftscience | 2012-05-03 11:13 | 京都のコト

泉涌寺・雲龍院の丸窓

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最近、丸窓が気になっていて、
京都東山の泉涌寺にある雲龍院にいってきました。

雲龍院の丸窓は「悟りの窓」と呼ばれています。

京都で丸窓といえば、ここ雲龍院の「悟りの窓」か
鷹峯(たかがみね)の源光庵が有名です。

なぜこれが「悟りの窓」とよばれるのか、
不勉強な私にはよく分かりませんでしたが
この座敷に座って丸く切り取られた庭の景色は確かに絵になる構図で感心しました。

手前から紅梅、ハナカイドウ、シャクナゲとが重なり一つの風景をつくっているのですが
特に梅の幹が左下からグーッと伸び、右の障子にかかるあたりでグッと垂直に伸び上がる。
そして点景として花が散りばめられ、時期をずらしながら咲いていく。
この絵画的な構成はみごとだと感心します。
自然の営みと、庭や建物という人工物とが重なり合って
私たちの心が動かされる。
建築と造園の可能性をあらためて感じさせてくれる瞬間でした。
by craftscience | 2012-04-27 12:40 | 京都のコト

京町家 秦家住宅と杉本家住宅を見学

今年に入って、「京都市文化財マネージャー育成講座」という講座を受講しています。
京都市と財団法人京都市景観まちづくりセンターとNPO法人古材文化の会が運営している講座で、
京都にかぎらず、地域に残る優れた建造物と歴史を守り育てる専門家の育成を目的にしています。
つまり、皆さんがお住まいのまちにも、古い建物で味わい深く、何とか残ってほしいものだと思う建物があると思いますが、そういう建物多くは、持ち主の都合で取り壊され無くなっていくことがほとんどでしょう。
それを何とか保存・活用していく道筋をつけられないものか、そのためのスキルや知見を身につけましょうという内容になっています。
半年間、二週間に一度、土曜日の朝から夕方まで講義や実習などで学んでいきます。

先日もその講座で、秦家住宅と杉本家住宅の二軒の京町家を見学してきました。
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秦家は薬屋さん、軒中央の看板が豪壮です。
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奈良屋杉本家は、呉服商として栄えていたそうですが、現在は文化財として保存活用されています。
http://www.sugimotoke.or.jp/
写真でお見せできないのが残念ですが、庭園と座敷の関係がすばらしく、また抑制の効いた華美なところの無い意匠が、京商人としての美意識と奥ゆかしさを重んじる精神性が感じられ、たいへん勉強になりました。
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by craftscience | 2012-03-05 15:36 | 京都のコト

関東人が見た関西の電車のデザイン

まだ関西での暮らしはじめて日が浅いので、
関西人にとって、あたりまえの日常風景のが
僕の目には、いろいろと新鮮に見え、気になってしかたがないことがある。

今日も仕事で大阪に出向いたのだが、
乗った京阪電車の車内のデザインに注目してしまった。
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先頭車両の最前列の座席。
「なかなかいいなぁ」と注目。
まずは座席脇の肘掛。
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シートの形に添いつつも滑らかにはずした曲線美。
使い込まれたメッキの輝きが魅力的だなぁ・・・と。
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見上げると、成田山のお守りが!!
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優先席シートのファブリックの色が、緑と黄色。なかなかいい色の取り合わせで、かつ抑えた
トーンがセンスを感じます。そしてこの柄がなんともカワイイ!!
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関東の私鉄やJRにはこんな車内空間の豊かさはないように思いました。
by craftscience | 2012-01-16 23:17 | 京都のコト

建仁寺塔頭「両足院」新春特別公開

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京都オフィスのご近所にある建仁寺。
境内には、いくつもの塔頭があります。
塔頭とは、大きなお寺の中にある、いわば分家のようにつくられた小寺のこと。
ここで紹介する「両足院」も建仁寺塔頭のひとつ。
ふだんは一般公開していないのですが、
元日から1/22(日)まで新春特別公開をしています。
方丈や庭園が見学できて、
長谷川等伯の襖絵と
伊藤若冲の掛け軸の絵「雪梅雄鶏図」が拝観できます。

伊藤若冲の絵の現物を間近に見たのは初めてだったのですが、
その色彩のバランス、描写の密度、静と動の狭間の一瞬を捉えたかのような緊張感など
みていて引き込まれるすばらしい体験をさせていただきました。
建物内部は撮影お断りでしたので、
若冲の絵をお見せできないのが残念ですが、
ネット上に画像がアップされているので
興味のある方は探してみてください。

両足院は庭園もすばらしく、門を入ってすぐの「唐門前庭園」
「苔」を枯山水のように水の流れに見立てたという「方丈前庭園」
そして池泉式庭園の「書院前庭園」など、どれもじっくりと眺めて味わいたい庭です。
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両足院の両足とは、仏の尊称のひとつのである
「両足尊」(二つの足をもつものの中で最も尊い者の意味)
から取られたそうです。
また仏様のもっている「知恵」と「慈悲」の両方を併せ持つという意味だそうです。

両足院では、座禅体験やヨガと座禅体験を組み合わせたワークショップ的な活動もされているようで、私も近いうちに参加してみようと思っています。
by craftscience | 2012-01-08 11:21 | 京都のコト

京都祇園「鍵善良房」のお正月のしつらえ

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京都・祇園の和菓子屋さん「鍵善良房」の前を通りがかったら
その入り口のお正月のしつらえに、思わず立ち止まり写真をパチリ。
こういった四季折々のしつらえには、さまざまな象徴的な意味や、願いがこめられていて
それを紐解いていくと、なかなか面白い発見があります。
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のれんの赤と房飾りの緑、色のとりあわせも鮮やかですし、
質がやっぱりいいですよね。
注連飾りをよくみると、お札に文字が。
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右に「七難即滅」
左に「七福即生」
中央には「蘇民将来子孫家」と書いてあり、「門」の字が二つに割れて中央の文字をはさんでいます。
七難とは、諸説があるそうですが、
一説では「太陽の異変、星の異変、風害、水害、火災、旱害、盗難」とのこと。
七福は、いわゆる七福神に象徴される七つの幸福のことですね。
ここまではわかりやすい。
でも真ん中の「蘇民・・・」とはなんでしょうか?
調べてみると、スサノオノミコトにまつわる神話に由来があるそうです。
三重県の歴史文化についての記述を読むと次のような話があります。
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この「蘇民将来子孫」について、『宇治山田市史』等では『備後風土記逸文』を引用して、スサノオノミコトが、南海への旅の途中、蘇民将来・巨旦(こたん)将来という名前の二人の兄弟のいる地に立ち寄り、そこで、ミコトは一晩泊めてくれるよう二人に頼みました。弟の巨旦はとても裕福だったのですが、断りました。兄の蘇民は貧しかったのですが、親切にミコトを泊めてあげました。スサノオノミコトは喜び、蘇民に「今後、この地に悪い病気が流行ったときには、蘇民将来の子孫であると言い、茅輪(ちのわ)(茅や藁(わら)を束ねて作った大きな輪)を腰に着けなさい。そうすれば病気を免がれるでしょう」と言って、その地を立ち去った。
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このお札を下げることで悪疫を退散させる意味があるのですね。

鍵善の入り口脇には、ショーケースがあって、このしつらえもまた見事。
楽しませてもらいました。
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下にある半月型の白いお菓子は「花びら餅」といって、このお正月の時期だけにつくられる御菓子です。
これについては、NPO家づくりの会のブログに書きますので、そちらも読んでみてください。
by craftscience | 2012-01-04 21:10 | 京都のコト