カテゴリ:2011時を重ねる家3@杉並区( 11 )

焼き杉の外壁、 一年後の経年変化

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昨日、杉並区の「時を重ねる家3」のNさんのお宅を訪問。棚の追加や床や壁のメンテについて打ち合わせしてきました。
その時話題になったのがこの焼き杉の外壁の木材保護と表情の維持についてでした。
焼杉というのは、木材の劣化を遅らせるために表面を炎で炙って炭化させたもので、伝統的な手法の一つです。ここではある木材業者さんが製品化していた焼杉材を建主さんがネットで見つけて、私も検討した上で採用しました。写真の部分は一階の外壁で上には庇がありますが二階の屋根で出は70センチくらい。西に側道路に面しているため西日が非常によく当たる建物にとっては過酷な部分と言えます。そのため同じ建物の他の部分に比べて、圧倒的に色落ちが進行していました。表面の炭化層が主に風雨で流されてしまったわけですね。
とは言え、黒い木目と薄茶のコントラストが効いてきたこの表情はなかなか味わい深く、建主のNさんも気に入っていて、この感じを維持したいものだとおっしゃっていました。
杉の下見板張りで私がよくやるのはユーロ(大阪塗料工業)という自然素材系の塗料で濃茶の着色するの方法で、木材の保護としては有効だと思いますが、この独特な焼杉の表情を損なってしまいかねないので慎重に考えたいと思っています。
by craftscience | 2012-10-01 10:06 | 2011時を重ねる家3@杉並区

キッチンの日常風景

建主さんのご了解を得て、キッチン回りの日常風景をご紹介します。

隣地の幼稚園の豊かな緑を借景することを大切に考えながら設計した家です。
2階のキッチンのコーナーに配された窓からは、隣地の桜の樹を、
文字通り手の届く距離に感じながら台所仕事ができます。
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キッチンは、いろいろな調理器具やこまごまとした道具が出てきます。
住む人の、ものとの付き合い方があらわれる場所ともいえます。
この家では、シンクとガスレンジのカウンターをフラットにするか
ち上がりを設けて手元をダイニング側から見えないように隠すかずいぶん話し合いました。
結果、建て主さんが決断されたのはフラットにしようということ。
お客さんがきて一緒に食事をされることも多い暮らしで、
キッチンとテーブルの間で、たくさんのお皿のやり取りがされますが
立ち上がりは無いほうがやりやすいですね。

キッチン回りをお客さんから見えないようにして、日常を意識させない、
あるいはすっきりとした印象をもってもらいながら、もてなす・・・・、
という奥ゆかしい精神もありだとは思うのですが
ここでは、お客さんも一緒になって洗い物を手伝ったりして
食事の全体を共に楽しむというオープンマインドな精神の表れたキッチンなのだと思います。
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壁の一部にくぼみがあって収納になっているのですが、
その扉にはガルバリウム鋼板を貼ってあり、
学校のプリントなどがマグネットでとめられるようになっています。
上には壁埋め込み形のエアコンが納まっています。

住む人の暮らしに寄り添っていくデザインを心がけています。
by craftscience | 2012-03-04 07:26 | 2011時を重ねる家3@杉並区

手づくりの表札

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2011年秋に竣工したこの家に伺ったら
手づくりの表札が入り口の壁に取り付けてありました。
木の枝やどんぐり、木の葉まであしらって上手に文字が作られています。
感激して建て主さんに聞くと、近くの公園や庭に落ちていた枝を使ってお子さんとつくったとのこと。
小学校に入学直前のご子息は
「とだけカタカナになっちゃったんだ・・・」と照れながら話してくれました。

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by craftscience | 2012-03-03 09:32 | 2011時を重ねる家3@杉並区

つるし雛が階段室に彩をそえる

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2011年の秋に竣工したこちらの家。
打ち合わせがあって伺ったら、階段の吹き抜けに立派なつるし雛が飾ってありました。
こういった季節の飾りというのは、日常の見慣れた風景にパッと花が咲いたようで、新鮮な気持ちをもたらしてくれるものだと、あらためて思いますね。
こちらの階段室は以前の記事にも書きましたが、光の取り込み方がとても上手くいって、この日も訪れたのは午後の2時ごろでしたが、つるし雛のまわりにやわらかい光が満ちていて心地よく感じました。
by craftscience | 2012-03-02 06:18 | 2011時を重ねる家3@杉並区

階段室の光の「たまり」

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しっくい塗の天井と
杉板張りの天井とのあいだに
光の「たまり」ができていて、
まるで間接照明を仕込んだかのように見えます。

でも人工照明ではないので
「ほわっ」とした、
繊細な心地よさが生まれていると思います。

住宅の設計をするときに、「光」についてよく考えます。

家のなかのそれぞれの場所に、
どのような光が降り注ぐのか、
どんな光と影のドラマが繰り広げられるのだろう、
そして、光が床や壁の仕上げの素材感や色や模様によって
どのような反射や映りこみや「たまり」がおきるのか・・・、
そんなことを考えるわけです。

出来上がった家を見に行くときも、
工事途中の場合でも、
「ああ、きれいな光が入っていますねー」と気づくことも多く、
それは自分が光の表現に対して、意識的である習慣によると思います。

住む人にとって、
ある季節のある瞬間に、
家の奥まで差し込む光に気づいて、
ああきれいだな・・・、と思えることは、
生きていることの幸せさを感じられる瞬間の一つだと思います。
by craftscience | 2011-11-21 12:05 | 2011時を重ねる家3@杉並区

蔵戸を入るとピロティと玄関がある

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9月にオープンハウスをした「時を重ねる家3@杉並区」。
建物の入り口に古い蔵戸を取り付けています。
建て主さんが長野旅行で見つけてきた欅の古建具なのですが、
赤みがかった色合いが風格がありました。
右手の格子は、古建具の格子サイズに合わせて新たに製作したもの。
色味もそろえることで、古いものと新しいものとが無理なく調和しました。
ハンガーレールで取り付けることで重量のある建具も軽く開閉できます。
ちなみに照明器具も奥様が古道具屋で見つけたヴィンテージもの。
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蔵戸をあけて入ると庭にぬけるピロティ。
この場所は自転車を置いたり、日曜大工や子供の遊び場にもなる半屋外の空間です。
多目的に使えて便利です。
庭の植栽はこれからゆっくりとしつらえていく予定です。
小屋のように見えるところは子供室。
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玄関扉を開けると、玄関ホールを兼ねた畳敷きのスペースがあります。
扉は床から天井までの高さをもち、床と天井の仕上げを内外連続させているので
空間の広がりが感じられて、すっきりとした印象になっています。
by craftscience | 2011-11-14 23:23 | 2011時を重ねる家3@杉並区

道路の突き当りにある家

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杉並区に建つこの家は
道路がL型に曲がった角に建っています。
だからまっすぐに道が伸びた突き当りに、この建物が見えるわけです。

こういう立地の場合、道路とどういう関係をもたせるのか、
考えどころですね。

ここでは、たてもの全体があたかも「長屋門」のように道に対峙し、
その門を潜り抜けてアプローチする。
そんな構成を意識しています。

印象的な大きな窓を設けて、道の風景に貢献しようとしたり、
逆に内部から見た道の風景を、一枚の絵のように切り取る・・・。

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窓の内側は階段と小さな吹き抜けになっていて
手すりを兼ねた本棚がしつらえられています。
窓の外の気配は感じたい、でも室内が外から丸見えだと落ち着かない。
だから本棚の背板の隙間を適度に開けて、
透け感を出すようにしました。
by craftscience | 2011-10-20 13:21 | 2011時を重ねる家3@杉並区

「古福庵」の古建具、こんな風に納まりました。

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今年の五月に建て主さんと行った和家具、古建具屋さんの「古福庵」。
そこで購入した書院の格子戸。
(そのときの話はこちら)。

繊細な細工が美しく、
品のいいシンプルなデザインなので
モダンなデザインにも馴染みがよさそう。
コテコテの和風にならないように普段から注意しています。

玄関ドアの脇にある床から天井までの一枚のFIXガラス。
ここに立て込むべく、ディテールを設計。
原寸図を描いて、大工さんと打ち合わせをして実現しました。
ガラスの掃除もできるようにと
「けんどん式」にして着脱可能な納まりとなっています。

もう一つ、ガラス入りのドア。
トイレのドアとして使いました。
古建具でドアはなかなか数が少なく、
さらに和風色の強くないものを探すのはなかなかの手間。
このドアは見た瞬間、「おっ、いいじゃない!これ!」
一期一会の醍醐味ですな。
ここでも枠の素材や寸法、手洗いの器具や家具の扉などにも
違和感のないように最新の注意を払ってデザインしています。
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この家は2011年9月17日(土)、18日(日)にオープンハウスでご覧いただけます。
詳しくはこちら
by craftscience | 2011-09-13 17:50 | 2011時を重ねる家3@杉並区

建主さん、故郷の石を駐車場に埋める

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9/17、9/18にオープンハウスをする「時を重ねる家3」。
駐車スペースの床面をタイルや石をはらずにコンクリート打ち放しとしました。

左官屋さんがコテで抑えてそのままだとあまりに無粋かと思い、
何かいい方法はないものかと思案した結果、小石を部分的に埋め込むことにしました。

この夏休みに建て主さん家族は、故郷の宮崎に帰省。
実家の近くの海や川で、小石を拾ってきてもらいました。
お子さんも参加して思い出づくりをする企てです。

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残暑厳しい日中、大汗をかきながら、
生乾きのコンクリートに、グリグリと石を埋め込んでいきます。
コンクリートは、既にけっこう固まっていて、力強くねじ込まないと、石は埋まりませんでした。

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石を埋め込むとまわりが盛り上がってしまうので
そこを左官屋さんが刷毛を使ってならしてくれました。
by craftscience | 2011-09-12 19:15 | 2011時を重ねる家3@杉並区

「時を重ねる家3@杉並区成田東」9/17、9/18オープンハウスのご案内

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日時:2011年 9月17日(土)午前11時から午後6時まで
          9月18日(日)午後1時から午後6時まで
   
場所:東京都杉並区成田東のN邸
    (地下鉄丸ノ内線・南阿佐ヶ谷駅より徒歩12分)
    参加申し込みされた方に詳しい地図を郵送、またはメール送信いたします。
参加費:無料
申込み:NPO法人・家づくりの会事務局まで
問合せ: クラフトサイエンス一級建築士事務所  
      担当 安井まで mail:yasui@craftscience.jp

このたび建て主さんのご厚意により
オープンハウスを開催できることになりました。

近年クラフトサイエンスで取り組んでいる
「古いものを活かした家づくり」。
今回も古建具や古材をとりこみ、
新しい家でありながら、どこか懐かしい感じの家ができました。

建主様の故郷の山の木を使ったり、
隣地の幼稚園の緑を借景したり、
太陽光で発電したりと、
都会にいながら自然と親しみ、
豊かな時を重ねられる家を目指しました。

ぜひ、ご覧になっていただき
ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです。
(安井正)

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by craftscience | 2011-08-25 12:33 | 2011時を重ねる家3@杉並区