カテゴリ:2010時を重ねる家1@埼玉県桶川( 10 )

マイホームプラスに「時を重ねる家」が掲載されました。

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住宅雑誌「My HOME+」(マイホームプラス2011年冬号VOL23、エクスナレッジ刊)に埼玉県桶川市の住宅が掲載されました。
どこか懐かしさを感じるような家、風や光を心地よく取り込み、自然のうつろいが感じられるようなシンプルな家として紹介されました。
プランも詳しく解説してくれいてます。
よかった読んでみて下さい。
by craftscience | 2011-02-17 16:25 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

古材を使う

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柳沢商店(葛飾区水元)にいくと、巨大な倉庫のなかに古材がひしめき合いながらストックされている光景に圧倒される。その古材の山の中から、その時その時の用途やほしいサイズを考慮に入れながら、探す。店主の小林さんにこれくらいのサイズでこんな用途で使いたいんだけど・・・というと「こんなのはどうですか・・」倉庫の中を案内してくれて、見せてくれる。

「時を重ねる家」の玄関扉の両脇に添えられたヒノキの厚板がこの写真。
幅450長さ1800、厚50程度の2枚の板。かつて、住宅の床の間として使われていたようで、裏側には建具の溝が掘りこまれている。こういった過去の痕跡を活かすのも面白い。

この板と壁の間に5センチほどの隙間をとって細長いガラスを入れて光を導き、
もう一枚は足元を20センチほど浮かしてとりつけそこにもガラスを入れています。
夜、室内の明かりがほのかに足元を照らしてくれます。

古材も持ち味を生かしながらも、そのままでは新しい部分とちぐはぐになるので、そこはうちの事務所で手を入れて(ペーパー掛けをして、オイルや塗料で表面を調整しています)建物全体のデザインと調和するようにしています。
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by craftscience | 2011-01-27 07:56 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

吹き抜けのあるリビング

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吹き抜けのある家って、やはり気持ちがいいですね。
私も将来、自分の家を設計するときになったら
吹き抜けをどこかにつくると思います。

吹き抜けのメリットはやはり解放感。
高い天井により上昇感が生まれます。
さらに上手に視線が抜けていくような窓を配置すれば
よりいっそう開放感が高まり、実際の広さよりももっともっと広く感じます。
窓を見上げると、空の色の変化や雲の流れが見え、
夜中にふっと起きた時にぽっかり月が浮かんでいる…なんてのが見えるのもまた一興です。
私は細長いFIX窓をよくデザインするのですが、
そこから夜中に月が見えて、月明かりが静かに部屋を満たし、
なんともいえない幻想的な光景に出会った話を、
何人かの建て主さんから聞きました。

細長いスリット窓は日中の光と影の変化をドラマティックに映しだしてくれます。
それには壁面の仕上げも大切です。
この家では左官職人にしっくいを塗ってもらいましたが
特にこだわって、微妙なコテ跡を、ほのかに残してもらっています。
手の痕跡をあえて残しています。
ただし、あまりにわざとらしくならないような微妙さで仕上げてもらうところにこだわりました。
やはりビニールクロスの壁では決して味わえない微妙な陰影の「うつろい」を楽しめますね。

一方、吹き抜けのデメリットはやはり冷暖房の効率です。
空間が大きくなる分、気積も増え、冷暖房の負荷も高まります。

私は吹き抜け空間には床暖房をおすすめしています。
床暖房の輻射熱によって空気が暖められ、人間は暖かさを感じるので、
人のいるところに近いほうが効率が良いわけです。
また、直接触れているところが温かいのはとても気持ち良いです。
by craftscience | 2011-01-18 11:51 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

和室のデザイン

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伝統的な和室には、床の間があったり、
長押(なげし)が壁の頭の上のあたりにぐるりと回っていたりと
それなりの設計作法というか、形式があります。

でも、現代の私たちの暮らしの中では和室の形式をもっと自由にとらえてよいと思います。
使いやすさ(機能性)と居心地の良さ(心のあり方)を重視したいですね。

この家ではリビングダイニングと一続きの畳敷きの空間を作りました。
床面はフラット。
建具を引出てくれば、一部屋として独立した使い方もできます。
ただし、あけているときに建具の存在が気にならないように
壁の前にきちっと納まるよう、ディテールを調整しています。
L型に建具で仕切るので、引き戸と開き戸(ドア)との組み合わせで閉まります。
このあたりをきれいに納めるには図面上でも、現場の大工さん、建具屋さんのほうでも
かなり神経をつかいます。
こういうところで良い仕事とそうでない仕事の差がつきます。
by craftscience | 2010-12-28 06:23 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

光の美に気づく時

光の入り方は、いつも意識しています。
光の美しさに、ふっと気が付いてもらえるような瞬間を
暮らしの中に仕込んでいく。隠し味のように・・・。
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光は刻々と変わっていくので、
その変化、「うつろい」がまた楽しいですね。
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それには、光の当たる面の素材や質感がとても大切で、
ここでは漆喰壁の鏝仕上げを、あえて粗さを残し、
しかも、わざとらしくならない程度の微妙な粗さに抑える。
左官職人さんに現場で試し塗りをしてもらいながら調子を見て、決めていきました。
手仕事による微妙な凹凸によってできる陰影が表情豊かですね。
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by craftscience | 2010-12-15 16:14 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

時を重ねる家 引手のこと

収納の扉には引手がつく。

毎日、開ける扉もあれば、数日に一度しか触れない扉もある。

引手一つでも「カタログから選ばない」という道を進むと、

ちょっと心が浮き浮きするような楽しさが得られる・・・ときもある。

「時を重ねる家」では

古い鞄を解体して私が手作りでつくった革引手と

古道具屋さんで購入した引手を取り付けました。

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by craftscience | 2010-12-13 15:59 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

時を重ねる家のパーケット・フローリング

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時を重ねる家では、床材についても吟味に吟味を重ねて選びました。

ナラの無垢板を素材にしたパーケット・フローリングです。
75ミリ幅で長さが303ミリの板が4枚、
2ミリほどのウレタンシートに裏打ちされてつながっています。
それを方向を直交させながら貼っていきます。
昔の小学校の床がこんな貼り方の床だったのを思い出しますが、
どこか懐かしい感じですね。

これはスタンダードトレードの渡邊謙一郎さんが
自社のオリジナル商品として開発、販売しているものです。
ダークブラウンにオイルステインで着色後、
クリアー塗装をごく薄くかけることでメンテナンス性を高めながらも
木の風合いを損ねることなく仕上げています。
面取りをほとんどしない板のエッジが、シャープな印象を与えてくれます。
が生活上問題にならないか若干心配でしたが、
問題ない足ざわりの感触に納まっています。
by craftscience | 2010-12-10 17:32 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

「時を重ねる家」というコンセプト

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最近「時を重ねる家」というコンセプトが気に入っています。

世の中一般の住宅は、あまりに「時を重ねていく」という事実を軽視しているように思います。

どんなに新しいものをつくっても、それは今、すでにある環境の上に置かれる。

買ったばかりのピカピカの物も、使い込まれて古びていく。
古びてボロボロの物も、手入れしだいでは実に魅力的なものとしてよみがえる。

0歳の赤ちゃんは日々成長し、80歳の人だって何かに感動して心が育つこともある。

そうやって時を重ねることで、豊かな「質」が生まれる可能性があるのに、
特に20世紀の価値観は、そこに目を向けなかった。
「新しさ」こそが価値であると信じた。

これからの時代を、生きにくい時代を、
少しでも生きやすくするためには
「新しさ」のみを信奉することをやめて、
また、「古さ」のみを反動的に信仰するのでもなく、
古いものと新しいものとが、心地よく重なりあっている環境を
つくっていかなければならない・・・
と想う、今日この頃なのです。
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by craftscience | 2010-12-08 06:44 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

「時を重ねる家」オープンハウスのお知らせ

オープンハウス「時を重ねる家」
日々の暮らしを心地よくするため、窓からの光と、良質な素材と手仕事にこだわりました。

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日時:2010年4月10日(土)午前11時00分から午後6時まで   
場所:埼玉県桶川市のA邸(JR高崎線・桶川駅より徒歩8分)
参加申し込みされた方に詳しい地図を郵送、またはメール送信いたします。
参加費:無料
申込み:NPO法人・家づくりの会事務局まで
問合せ: クラフトサイエンス一級建築士事務所 担当 安井正まで(mail:yasui@craftscience.jp)


c0087532_10573556.jpg 住宅は暮らしをささえる器です。寝食、くつろぎはもちろん、家事や子育ても落ち着いて、心豊かに行えたら、どんなにか素晴らしいことでしょう。そのためには住宅は単なる機能的な箱にとどまらず、人の心や身体によりそっていくものでありたいと思っています。
 桶川のA邸では、光と影、風の流れを感じながら暮らせるように窓の開け方を丁寧に吟味しました。左官職人が手仕事で塗った壁には、微妙な粗さをあえて残し、建具には麻の織物をはりました。朝から夕方の日差しの変化や、季節の移ろいが、さまざまな陰影の表情を生みだします。また、随所に古材や古建具をとりいれ、新しいものと古いものとを調和させるデザインを試みています。
c0087532_10581718.jpgなにげない生活の場面ごとに、ふと気づく自然の美しさ。古いものが持っている時間の厚みと、新しいものとが重なりながら、住む人が自分らしい時を重ねていける場所、そんなことを大切にしながらつくった家です。
ぜひ、脚をお運びいただき、この場所を感じていただき、ご意見、ご感想などをいただけたらありがたく思います。(安井正)




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by craftscience | 2010-04-11 23:59 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川

時を重ねる家・桶川「出会いから完成まで」

2010年4月10日(土)にオープンハウスを行います。
この家の建主さんとはもう6年以上の御付き合いになります。
はじめNPO家づくりの会の講座で出会い、
マンションリフォームの設計をご依頼いただいていましたが、
建主さんのご都合により中断。
その数年後に土地を購入されて新築したいとのことで再スタート。
ようやく建物が完成します。
建主さんと建築家が納得いくまで時間をかけてじっくりとつくった家。
そんな意味でも「時を重ねた家」ですね。
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by craftscience | 2010-04-05 10:56 | 2010時を重ねる家1@埼玉県桶川